カプコンはハラスメント問題の高まりを受け、CEDEC 2025で予定されていた『モンスターハンターWilds』の最適化技術講演を中止しました。中止の経緯とカプコンの公式見解について詳細をお伝えします。
『モンスターハンターWilds』開発チームは当初、2025年に横浜で開催予定のコンピュータエンターテインメント開発者会議(CEDEC 2025)においてゲーム最適化技術に関する講演を行う予定でした。7月7日Automaton報道によれば、カプコンは詳細を明かさずに本講演を撤回しました。
「滑らかな動作を実現する『モンスターハンターWilds』最適化手法」と題された本セッションでは、安定したパフォーマンスと高フレームレートを実現する技術について、CPU/GPU負荷管理やメモリ使用効率最適化などの観点から解説される予定でした。
業界関係者らは、この中止決定がゲームのパフォーマンスに関する苦情に関連する継続的なハラスメント問題に起因すると分析しており、講演を強行すればオンライン上の緊張がさらに高まると判断したとみられています。
本作のリリース後、特にPC版において最適化問題に関する批判が相次ぎました。『モンスターハンターWilds』のSteamユーザーレビューが「圧倒的に不評」を記録する事態にまで発展しています。
7月4日、カプコンはTwitter/Xでこれらの懸念に対応する声明を発表。Title Update 2に伴う不具合修正、CPUおよびVRAM使用量の削減、各種安定性改善策を進めていることを説明しました。
続けて同社はウェブサイト上でハラスメント問題に関する正式声明を発表。プレイヤーからのフィードバックを貴重な意見と認めつつも、各種プラットフォームにおける脅迫・中傷・ハラスメント行為は許容できないと表明しました。
これを受けカプコンは「カスタマーハラスメント対応ガイドライン」を適用。「厚生労働省のハラスメント対応基準に則り、社会的に許容される範囲を超える行為に対してはサービス提供を拒否する場合がある」と声明しています。
さらに同社は、誹謗中傷や個人攻撃、危害の脅迫、業務妨害などの重大なケースについては法的措置を講じる可能性があるとも警告しています。
7月7日に開催されたカプコンの定時株主総会では、株主から「最近のタイトルにおけるコンテンツ量と最適化問題」について懸念が示されました。これに対し同社は開発チームが積極的にプレイヤーからのフィードバックを検証し、アップデートを通じて改善を続けていく方針を伝えています。
カプコン史上最速セールスを記録した『モンスターハンターWilds』ですが、評判の悪化が課題となっています。本作はPlayStation 5、Xbox Series X|S、PC向けに発売中です。最新情報は以下の関連記事をご覧ください。